連載コラム:「某月風紋」

2026年6月号 連載 [コラム:「某月風紋」]

1年前に3万7000円前後だった日経平均株価が6万円台をつけている。米トランプ大統領に振り回されるから長続きする保証はない。それでも金融庁主導のコーポレートガバナンス改革が、株式市場の活況を後押ししているのは確かだろう。

4月に公表されたコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂案では、成長投資の重要性が明記された。目先の株価を意識して増配や自社株買いに走るのでなく、現預金等の経営資源を有効活用できているか問うている。稼ぎの配分先を示すキャピタルアロケーションの開示も一案。日本企業の労働分配率の低さや実質賃金の低迷を踏まえ、金融庁の担当者は「利益を人的資本に振り向けることが重要」と話す。

指針では独立社外取締役の役割や責務も強調している。質・量の確保、独立性の確保を求める。筆者は個人株主として、在任11年以上もしくは本業を含めて4つ以上仕事を掛け持ちしている社外取は、株主総会の議案で機械的にバツをつけている。これが結構多い。特に女性は企業間で取り合いになり、適任者が見つからないという声も聞く。

非上場の小さなメーカーの社外取を務めて感じたのは、次々と持ち上がる課題に対処するためスキルアップの必要性だ。長くやっていると馴れ合いになるだろうこともわかる。大企業で高い報酬を得ていれば、そのポストを失わないため経営陣や大株主にとって耳の痛いことは言いにくくなるだろう。

株主総会前に有価証券報告書を提出する流れが定着してきたのはうれしい。総会の3週間前に提出する双日のような企業もある。既に開示されている従業員の平均給与では、26年3月決算企業から前年比の増減率が加わる。あわせて有報提出会社が持ち株会社の場合、従業員数が最も多い子会社の平均給与等も開示する。投資家だけでなく就職を考えている学生も助かる。

(ガルテナー)

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