近畿中央病院が突如「診療休止」/病院の「61%が経常赤字」の転落/「立ち去り型」医療崩壊が始まる!

2025年7月号 DEEP [61%が赤字]

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「立ち去り型サボタージュ」という言葉がある。2006年に小松秀樹医師が著書『医療崩壊』の中で唱えた概念だ。過重労働や責任の集中に耐えかねた医師が現場を離れることで、医療提供体制が崩壊する現象を指す。小松医師の提唱から19年。医療崩壊は進み、最近は医療経営者の「立ち去り型サボタージュ」が顕在化しはじめた。筆者が注目するのは、近畿中央病院(兵庫県伊丹市)が、来年3月をもって診療休止を決めたことだ。同院は2019年以降、市立伊丹病院との統合準備を進めてきた。ところが、物価高騰のため新病院の建設費が当初の1.5倍の417億円に膨れ上がった。さらに建設予定地で土壌汚染が確認された。新病院の開院は27年後半に延期された。

公立学校共済組合の直営病院

近畿中央病院は5月8、9日に職員向けの説明会を開き「来年3月以降、他の場所で働き、新病院の開院に合わせて戻ってきてほしい」と呼びかけたというが、額面通 ………

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