対トランプ/「Dデイ会談」で男を上げた独新首相の真価

トランプ大統領との会談ではホームランを打ったが、対ウクライナではSPDの言いなり。

2025年7月号 POLITICS

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お使いに出かけようと威勢良く玄関の扉を開けた直後、敷石につまずいたようなものか。5月6日、ドイツ新首相に就任したフリードリヒ・メルツ氏だったが、あろうことか連邦議会(下院)の首相選出投票で一度“落選”するという前代未聞の醜態を世界にさらしてしまった。

「タフな交渉相手だ」

所属するキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と大連立を組む社会民主党(SPD)の議席数は合わせて328。過半の316票以上の獲得が選出条件なので、投票は単なる通過儀礼だと考えられていたが、蓋を開けてみたらわずか310票にとどまった。「戦後ドイツで初めて起きた異常事態にメルツ氏周辺はもちろんのこと、地元メディアも驚き、慌てて首相選出の手続きを再確認した始末だった」と在ベルリン政治ウオッチャーは明かす。結果、同日中に2度目の投票が行われ無事に過半を超えたものの、先行きの困難を暗示するような波乱の船出となった。 ………

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